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目次内容(「BOOK」データベースより)
犬、猫、様々な動物と人間が織りなす、ねじれてゆがんだ不思議ワールド。O・ヘンリー賞受賞の新鋭作家が紡ぐ、全米大絶賛の短篇集。
キャットフェイス
軟体動物
テキサス盲学校
冬を南で
マットレス
アラン・マシューズの家
六匹の犬のクリスマス
ビル・マクウィル
スノウ・フロッグ
リトル・ロドニー
ピーチ・トリップ
チェインソー・アップル
ドッグズ
ロズリンの犬
この短編はすべて繋がっているのかなぁ。「ぼく」の無責任なまでのやさしさ、ある意味でのピュアさ(短編によっては、大麻をすっちゃったりしてますけど)が際立つ短編集です。
繰り返し出てくるモチーフは、奇形や障害など、どちらかと言えばマイナス、ネガティヴに寄っているもの。それが「ぼく」のやさしさやピュアさに触れる事で、ただのマイナスではなくなるとでもいうか…。見慣れた世界が、ちょっと違って見えるかも? 綺麗は汚い。汚いは綺麗。ほんとの輝きは、思いもよらぬところにあるのかも。
ほんとの輝きかどうかは分かりませんが、変わった輝き、美しさとして強く印象に残ったのは「スノウ・フロッグ」。「ぼく」と一緒に牧場で働くエリザベスは、変わった能力の持ち主のよう。彼女はどうも飲� ��込んだものを、お腹の中で孵すことが出来るみたい。例えば卵を飲み込めば、彼女の口からは生まれたてのヒヨコが、牧場で見つけたゼリー状の物に覆われた緑に発光する虫(巨大なツチボタルらしい。ツチボタル自体は実在するのよね)からは、とてもキレイなカエルが…。
"DOGWALKER"が"世界の涯まで犬たちと」。タイトルもいいですよね。そう、いまでは、もとの種よりもはるかに大きいスノウ・フロッグたちがいる。なかには大型猟犬の成犬ほどの大きさのものまで。そして、冷えこんだ冬の晩、明るく光りながら雪のなかをはずんでいくスノウ・フロッグたちの姿は、ノースカントリーや高山地域ではごく当たり前になった。そうした田舎の町や村の子供たちが、気立てのいいこの生き物たちと雪原で仲良く遊びたいから夜更かしをさせて、とよく両親におねだりする声が聞こえてくる。クリスマスのころ、子供たちが雪のなかで、温かく、丸々として光り輝くカエルたちと戯れる姿ほど素晴らしい眺めを、ぼくは見たことがない。(p131「スノウ・フロッグ」より引用)
2010-03-16-23:32
1 よくできた息子内容(「BOOK」データベースより)
はずみで人を殺してしまったヴェトナム帰りのダンは、余命いくばくもない身ながら逃避行に出た。道連れは顔半分に痣のある美少女に、ダンを追う三本腕の賞金稼ぎとプレスリーのそっくりさん。アウトサイダーにされてしまった者たちは、癒しを求めてひたすら南へ向かう。温もりと恐怖が混ざり合う不思議なロード・ノヴェル。
2 死を刻む音
3 カインのしるし
4 クリントの手
5 進むべき道のり
6 ペルヴィス登場
7 大きな蛙
8 不可解な業
9 時は盗っ人
10 射線上に立つ
11 夜の旅
12 ジュピター
13 悪魔の天国
14 小さな頭骨
15 真実
16 黄色に黒
17 迷路
18 もっとも危険な土地
19 地獄のわが家
20 キングの流す赤い血
21 音もなく動く影
22 鱗の音
23 髑髏
24 象と虎
25 爬行動物
26 窮地
27 酷暑のなかへ
28 エイヴリエッタの島
29 ブライト・ガール
訳者あとがき
「少年時代」(感想)の興奮そのままに、借りてきた本です。
しかし、目次を見てもお分かりの通り、とにかくなっがい! しかも、実は途中まではそんなに面白くはなかったのです。「よい子」「良い兵隊」であったダンの事情に同情こそすれ、エンタメとして面白くなんて読めない…という感じ。良い兵隊として、上官の命ずるままに任務を果たした彼に与えられたのは、枯葉剤を浴びたことによる脳腫瘍や白血病。彼が思い出すのは、枯葉剤の銀色の雨に、ヴェトコンにより焼かれる子供のにおい。そうして、"Gone South(南へ行っちまった)"、つまりは気が狂ってしまった仲間たちの姿…。
物語が俄然息を吹き返すのが、プレスリーのそっくりさん、ペルヴィスが出て来るあたり。その前に、三本腕の男、フリント(&クリント)も出てくるんだけど、この彼の事情も可哀そうで…。やっぱり面白くなんて読めないよーと思っていたんだけど、ペルヴィスの場合はね、彼なりの事情があるようなんだけど、その事情が後から出てくるからか、読んでてそんなに辛くなかったのです。彼の楽観性もあるんだろうけど。
逃げるダンに、追う賞金稼ぎのフリントとペルヴィス。更には顔のあざを治すために、"ブライト・ガール"なる癒し手を探す娘、アーデンが絡んできて…。彼らは南へと進むのです。そう、"Gone South(=気が狂ってしまう)"とのダブル・ミーニング。
よい子、良い兵隊であり続けたのに、頭に血が上ったその一瞬に人を殺してしまったダン。三本腕のためにまともな仕事に就くことも出来ず、孤独を好んでいたフリント。エルヴィス・プレスリーとして生きることに情熱を注いでいた、セシル・ペルヴィス。顔のあざに苦しんでいたアーデン。南に行った彼らは救いを得たのか?
ラストはなんだか意外でした。"ブライト・ガール"の正体、ダンの元々の仕事の理由(ま、これはラストまで行くと、ああ、それでこの職業だったのね、と分かるんだけど)、おー、そうくるか、という感じ。警察の無能っぷりとか、この懸賞金の額で賞金稼ぎなんて商売がなりたつのかなー、とか色々疑問もありますが、ラストに辿り着い た時、このロード・ノベルに付き合って良かったと思ったのでした。
「少年時代」におけるほど魔法が前面に出ているわけではないけれど、"ブライト・ガール"の存在とか、島の修道院の様子などにほのかな魔法の香りを感じました。ダンたちを助けた、沼地にすむ元海軍部隊ののトレインなんかも、そういえば魔法の存在かもね。
2010-02-27-22:40
(↑読んだのは版元も違うハードカバーなんですが、表紙が素敵だったこちらを)これは、すっごく良かったです。夢中になって読みました。あまりにもパーフェクトな少年時代!アメリカ南部の片田舎、黒人差別が残る小さな町、貧しい家庭、超人ではなくとも、子のためにも恥ずべき行いはすまいと勇気を振り絞る父。
第一部 春の薄闇
第二部 悪魔と天使の夏
第三部 燃える秋
第四部 冬の冷酷な真実
第五部 いまのゼファー
謝辞
訳者あとがき
縦糸となるのは、牛乳配達の最中、父と子が遭遇した殺人事件。底なしの湖に沈んでいった車の中の死体をめぐる謎。ワイヤーで首を絞められ、ひどい暴行の跡もあったその死体は、運転手を助けるために湖に飛び込んだ父を夜毎苛む。いっしょに来い、下の暗いところへ…。父の夢の中で死体はこう囁く。
横糸は、少年コーリーが一年間に出会う様々な出来事。父の失業、友の死、爆弾騒ぎなどなど。少年コーリーは成長していくのだが…。更に重要なキーワードは、冒頭の読者への語りにもある「魔法」という言葉。コーリーが暮らす町ゼファーを、彼は魔法の町だという。
あれは魔法の土地だった。
わたしの内には、あの素晴らしい魔法の王国で過ごした少年時代(ボーイズ・ライフ)の思い出がしまわれている。
わたしはおぼえている。
こうしたことをわたしはこれから語ってみたい。
「少年時代」上・下/魔法のボーイズ・ライフ の続きを読む
2010-02-24-23:40
内容(「BOOK」データベースより)
わたしはサーズデイ・ネクスト。ついこのあいだまで、イングランドで暮らす一介の「文学刑事」だった。ジェイン・エアを誘拐した文学破壊凶悪犯ヘイディーズを倒し、ポーの『大鴉』の中で、卑劣な巨大企業ゴライアス社と対決したのはいいが、ひきかえに愛する人をうばわれてしまった。しかも記憶を操る怪女エイオーニスから、兄の仇と命を狙われる始末。そんなわたしに『大いなる遺産』の豪快なブックジャンパー、ミス・ハビシャムが助け舟を出してくれた。普通は現実世界の人間が入れない"ブックワールド"に匿ってくれるという。『ロビンソンクルーソー』の島で過ごすか『高慢と偏見』の中で優雅なドレスをまとうか迷ったが、怪しげな未完の小説のなかでしばらくのんびり身を隠すことにした。しかし運命はわた� �に休息をゆるしてくれないらしい。小説世界でも刑事をやるんだよと、ミス・ハビシャムのしごきが始まった…。ヒースクリフから植物怪獣トリフィッドまで、文学オールスター勢揃いの"文学刑事シリーズ"第三弾。
メモ� �モ。これって、目次を書き写すだけでも満足しちゃうんだなー。内容(「BOOK」データベースより)
"ブックワールド"に身を潜めてのんびりするはずが、こっちの世界でも、刑事もどきをつとめるハメになったわたし。相変わらず厳しいミス・ハビシャムの叱咤を浴びながら、マクベス三婆の押し売りに耐え、脇役たちのストレス解消セラピーにつきあい、誤植ウイルスを撃退する忙しい日々がはじまった。あるとき、ミノタウロスの逃走を追いかけていた現場で、どうやら小説OSのアップグレードをめぐる陰謀が進行していることに気づく。このままでは型にはまった小説だけが量産され、文学世界が破壊されてしまう!いったい黒幕はだれなのか?わたしから夫ランデンの記憶を完全に消そうと執拗に狙う、怪女エイオーニスの攻撃を必死でかわしながら、相棒となった作中人物仲間とともに捜査に乗り出したが…。
1 朝食の欠如
2 『カヴァーシャム・ハイツ』のなかで
3 三人の魔女、多項選択、嫌み
4 ランデン・パーク=レイン
5 ロスト・プロットの泉
6 グラマサイトの夜
7 ミノタウロスに餌をやる
8 A419号線で一六〇マイル
9 アップル・ベネディクト、針鼠、ブラッドショー隊長
10 第四万三百十九回ジュリスフィクション会議
11 ウルトラワードTMの導入
12 『嵐が丘』
13 セント・スティーヴンの教会近くの貯水池
14 ジェネリックの教育
15 ランデン・パーク=サムボディー
16 ネモ艦長
17 ミノタウロス騒動
18 安らかに眠るスネル、そしてルーシー・ディーン
19 牧羊犬シャドー
20 名前をもらったIbbとObb、『ハイツ』ふたたび
21 パイ泥棒は誰だ?
22 クリミアの悪夢
23 第四万三百二十回ジュリスフィクション会議
24 誓約、ジャンル委員会、ディーン捜索
25 ミス・ハヴィシャム―最後の挨拶
26 ポスト・ハヴィシャム・ブルース
27 わが心の果ての灯台
28 ローラの旅立ち、『ハイツ』ふたたび
29 ブラッドショー夫人とソロモン(審判)社
30 暴露
31 形勢逆転
32 第九百二十三回ブックワールド賞
33 ウルトラワードTM
34 未解決の問題
34a 荒天
今回はヘイディーズ一族のエイオーニスとの戦いもあるんですが、背景にずーっとあるのは、小説OSのアップグレード! ウルトラワードTMの導入を巡り、ブックワールドは何やらきな臭い…。妊娠中にのんびりしようったって、そこはサーズデイのいるところ。そうは問屋がおろしません。
ヒースクリフやロチェスターのようなメジャーどころだけではなく、マイナーな作中人物から、まだ生まれ出ていない小説の作中人物まで、それぞれに個性が溢れていて楽しい~。このシリーズは作中の小ネタも楽しくって、教育を受けて作中人物を演じるようになる"ジェネリック"という存在も面白かったな。彼ら彼女らは色々な役を演じるためのコースを受けるんだけど、一時期誤って、『レベッカ』のダンヴァース夫人が量産されちゃっ� ��そうです。ひたひたと迫る、ダンヴァース夫人の一団…。こわーーーーい。実は『レベッカ』読んでないので、あくまでこの本を読んでの想像なんですけど。




