2012年4月24日火曜日

関税・外国為替等審議会 関税分科会 企画部会懇談会 議事録(平成19年10月19日開催) : 財務省



午前10時02分開会

○圓川座長 ただいまから関税・外国為替等審議会関税分科会企画部会懇談会を開催いたします。

委員の皆様には、御多用のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。

本日の議題は、お手元にお配りしてあります議事日程のとおりです。

それでは、最初に、AEO推進官民協議会における検討状況につきまして、上斗米業務課長より説明をお願いいたします。

○上斗米業務課長 それでは、資料1の「AEO推進官民協議会における検討状況について」に基づきまして御説明申し上げます。

資料を1枚めくっていただきまして、AEO推進官民協議会でございますけれども、既にこれまで何度かお話が出ておりますように、本年5月にアジア・ゲートウェイ構想が取りまとめられまして、あわせて、「貿易手続改革プログラム」がアジア・ゲートウェイ構想の一部として取りまとめられたわけでございますけれども、その着実な実施の中で、日本版AEO制度の構築、次世代シングルウインドウの在り方、NACCSの業務範囲等につきまして、官民合同の検討の場を設置して検討を行うこととされたところでございます。

これを踏まえまして、本企画部会懇談会におきま して、本年6月26日に「貿易手続改革プログラムを実施するにあたっての論点整理」が取りまとめられたわけでございますけれども、そこにおきましても、官民合同の検討の場として、AEO推進官民協議会を早急に設置し、その場での検討を踏まえ、法制面の改正が必要となる場合には平成20年度以降の関税改正において見直しを行うこととされたわけでございます。

これを踏まえまして、AEO推進官民協議会におきましては、本年6月28日に第1回の会合を開きまして、その後9月27日、10月9日と3回にわたって議論を行ってきたわけでございます。

議論の内容につきましては、資料に出ておりますように、AEO制度の今後の進め方に当たりまして、事業者の範囲等についてどのように考えるか。既存の制度についてどの� ��うに考えるか。また、諸外国の状況についてはどうか。また、民間の団体の方が欧州の方にミッションに行かれましたので、その報告等について議論が行われたわけでございます。

メンバーでございますけれども、5ページにAEO推進官民協議会のメンバーが入っております。政府側からとしましては、財務省、経済産業省、国土交通省。それからAEOの相互認証の関係もございますので、外務省の方から御参加をいただいているところです。一方、民間団体ですけれども、こちらにございますように、電子情報技術産業協会、日本物流団体連合会、日本貿易会、日本自動車工業会、日本経済団体連合会、日本機械輸出組合、これは貿易手続改革プログラムの策定に当たりましても参加をいただいたメンバーでございます。それ� ��加えまして、第3回の協議会からは、日本船主協会、航空貨物運送協会、日本通関業連合会、国際エキスプレス業者の集まりでありますケーペック・ジャパン、外国船舶協会、日本インターナショナルフレイトフォワーダーズ協会、横浜税関保税会、定期航空協会と、このようにキャリアや運送業者、それから保税業者、それから通関業者といった物流にかかわる団体からも広く御参加をいただいて議論が行われてきたところでございます。

資料を1枚めくっていただきまして、その際、主にどういった議論を行うかということで、我々の方から御説明した資料が6ページでございますけれども、こちらについては、前回の企画部会懇談会におきましても御説明申し上げておりますが、いわゆるAEO制度につきましてカバーする範� ��が、我が国におきましては現状どうなっているか。それから、米国とECにおきましてはどこの部分がカバーされているかということを説明した上で、今後AEO制度の対象となる事業者をどこまで広げていくかということについて議論したわけでございます。

また、その際に資料6ページの一番下にございますように、米国、ECにおきましては、制度上のベネフィットというのは、あくまで輸入者ないし輸出者が輸出入する際の審査・検査の軽減ということのみに限られていて、その中間に介在する物流業者については、法律上の直接的な恩恵というのは与えられておりません。むしろ、輸入者、輸出者がそういった物流のサプライチェーンを築く中で、そういった業者を使用するという間接的な商業上の取引を通じて便益を受� ��るということを御説明したわけでございます。

その際、この官民協議会においていわゆる輸出における保税搬入原則について議論がなされたところでございますので、7ページ以降に、その際に使いました資料を添付してございます。

いわゆる保税搬入原則でございますけれども、輸出される貨物につきましては、税関による審査を経て許可を受けた者が適切な貨物管理を行い、税関が必要な現品検査等を適時に実施できる仕組みを通じて、下記の@からBの目的を確保しております。すなわち、輸出する際に、税関当局に対して輸出の申告を行いますと、税関は必要な審査・検査を行い、許可を出すわけでございますけれども、許可を出した時から申告された貨物は外国貨物となります。したがって、この外国貨物は内国貨物と� ��同されないよう貨物管理がなされて、実際に港湾ないし空港から積み出される必要があります。このため、税関の許可は申告後直ちに出るというようなこともございますし、その申告がなされた場所で検査を行って、問題がなければ許可を出すということになりますものですから、保税蔵置場等に運び込んでいただいて申告を行うこととなっております。その上で、その後は外国貨物として管理されて運び出される仕組みをとっているわけでございます。

その目的が、資料の7ページに@番、A番、B番と書いてあるところでございますけれども、まず規制貨物の不正輸出の防止ということで、武器、産業廃棄物等の不正輸出の防止に加えまして、大量破壊兵器等の拡散を防止するため、税関が検査をする機会を確保するとともに、そう� ��った適正な貨物管理、保税地域への蔵置、さらにそこから輸送する際には、保税運送の手続を行っていただいているということでございます。

また、A番としまして、輸出免税制度等の適正な運用の確保ということで、輸出の許可が出ますと、その許可書を持って、国内事業者であれば、国内で一緒に払う消費税からその分が免除されるという仕組みに基本的になっているわけでございます。それを実際に輸出しないで国内に引き取ってしまえば、消費税が免除された状態で国内に出回っていくということでございます。

それから、B番としまして、効率的な検査の実施についてでございます。税関に申告がなされれば、税関は必要に応じて検査のためにその貨物がある場所まで出向く必要がありますので、申告を全国どこででも� ��由に行うことができるということになれば非常に非効率なことになるということがございますので、税関の効率的な検査の実施を確保する観点からも原則は港の周辺にある保税地域に運び込んでいただくことが必要であるといった目的があるわけでございます。

資料を1ページめくっていただきまして、保税搬入原則を輸出について見直しする場合に留意が不可欠な事項といたしまして、1番目として、税関が必要に応じ貨物に対する検査を効率的に行うための体制、場所及びタイミングでございますけれども、その確保が必要であると考えているところでございます。例えば、特定輸出者であれば、そういった貨物がどのように流れているかということを管理するシステムを持っており、コンプライアンス体制も整っているという� ��とがございます。また、輸出許可済みの貨物が、外国貿易船等に積み込まれて輸出されるまでの間の適正な貨物管理がなされております。これらにつきましても、特定輸出申告制度におきましては、輸出者自身がそういった管理を行うということを税関が体制として確認しているわけでございます。

このように、コンプライアンスにすぐれた、そういった体制のしっかりした輸出者につきましては、輸出者において厳正な貨物管理が確保されること等をもって、保税搬入原則を適用しないという特定輸出申告制度が平成18年3月から既に導入されているところでございます。

また、他の仕組みを検討する場合におきましても、特定輸出申告制度以外の制度について、こういった原則を適用しないということであっても、上記の要� ��というのは何らかの形で満たしていただくことが必要であるというのが税関の考え方でございます。

ちなみに、次の9ページでございますけれども、諸外国における特定の場所への貨物搬入義務でございますが、ヨーロッパにおきましては、日本と同様、原則といたしまして、税関が指定する場所に搬入する必要があるということがECの関税法に明記されているわけでございます。ただし、例外として、ローカル・クリアランスという制度がございまして、それはコンプライアンスにすぐれている等一定の要件を満たした輸出者が、税関にその旨認められた場合は、自分の社屋等において貨物を置いた状態で貨物の輸出申告をすることができるといった制度がございますので、ヨーロッパのいわゆる大企業はほとんどこれを利用さ� ��ていると承知しているところでございます。

また、中国につきましては、やはり日本と同様の税関が監督する税関監督管理区に搬入する必要がございます。

一方、韓国、カナダでございますが、原則はそういった場所に搬入する義務はありませんが、税関が検査のために必要と認める場合には、当該貨物を税関に提示する必要がございます。すなわち、税関が指定する税関の官署に持っていく必要があるということでございます。

また、カナダ等におきましては、貨物に係るリスクを判定し、必要に応じた検査を行うため、船積みの48時間前までに輸出申告を行うこととされているところでございます。

なお、米国につきましては、輸出につきまして税関に申告するという制度そのものがないものですから、統計上の� �的から商務省に対して事後の届け出をしている。それから、ただし、実際に船を出す際の貨物情報という形で税関のシステムに対して情報が入っており、その情報を見て、税関が必要に応じてチェックをするという体制になっておりますので、法律上の輸出申告はない制度になっているところでございます。

資料の次ページ以降に関係法令をつけているところでございます。

なお、13ページでございますけれども、これは平成18年に行いました国際物流と貿易取引に関する研究会でトヨタ自動車の方から研究会の方に提出された資料でございますけれども、米国の24時間ルール導入とリードタイムの増加ということが書いてございます。すなわち米国は、貨物の事前情報を米国の税関当局に対して積み出し港、例えば日本であれば� ��日本の横浜なり名古屋の港において、船舶に積み込む24時間前までに米国の税関当局に提出しなければならないと義務づけております。一方、我が国におきましても、こういった貨物情報について事前に求めているわけでございますが、基本的には到着の前の24時間となっております。

これに伴いまして、どういった事態が起こっているかというのをまとめましたのが、トヨタ自動車の方から提出いただいた資料でございまして、施行前であれば、船積み前の2日前バンニング、つまりコンテナに詰め込みの後、船積みの1日前にCYカット、すなわちコンテナヤードに運び入れます。つまり、1日前以上に運び入れてくれというのが船会社の方の要請だったわけでございます。ところが、この貨物情報というのは船会社がマニフェス トをつくりまして米国税関に提供するものですから、船会社の方で船積みの3日前、つまり72時間前にコンテナヤードに運び入れてほしいということを現在要請しているわけでございまして、したがって、その1日前、船積みの4日前には工場等におきまして、コンテナに詰め込まなければいけないわけでございます。その上で3日前までに港頭地区のコンテナヤードに運び込んでいるため、2日リードタイムが延びているものでございます。

逆に申しますと、まさにコンテナヤードというのはすべて保税地域になっておりますので、3日前にコンテナヤードに運び入れてから申告を行った場合に、リードタイムにどういう形で影響が生じてくるのかということにつきまして民間側の意見を研究会の方で求めたところでございますけれ� ��も、この点について特段明確な御回答というのはございませんでした。

なお、資料の14ページに、AEO推進官民協議会で意見を求めました事項が3点ございます。1点目としまして、日本版AEO制度を今後構築するに当たりまして、対象事業者をどこまで広げていくか、つまり、国内運送事業者、通関業者、船会社・航空会社等についてどのように取り扱っていくべきか。

2点目としまして、そうした事業者に対してAEO制度を導入する場合、どのような要件や特例措置が考えられるか。

3点目としまして、現在既に導入されている簡易申告制度、特定輸出申告制度等によってどのような物流に変化が生じているかと。また、それに伴って、事業者の事業運営に対して何らかの影響が出ているか。また、簡易申告制度 、特定輸出申告制度等について、改善すべき点はあるかということを聞いたわけでございます。

恐縮でございますが、2ページに戻っていただきまして、このAEO推進官民協議会におきまして出されました主な意見について御説明申し上げます。

3の(1)の@の事業者の範囲等についてということでございますけれども、基本的にはECのAEO制度や米国のC−TPAT制度と同様に、サプライチェーンの各工程を担うすべての者がセキュリティを高めることが必要であり、できる限り広げていくことが必要であるというような意見が太宗でございました。

また、グローバルスタンダード、相互認証の観点からすべての事業者を対象とすべきであるけれども、少なくとも保税運送事業者は対象とすることが必要である。 また、通関業者については、許可事業者であること、すなわちコンプライアンスについて既に税関がチェックしているということを考慮すべきであるが、セキュリティの観点からは、対象にすべきではないかというような意見が出されたところでございます。

その場合の要件や、特例措置についての意見をまとめたものがAでございます。まず要件については、できる限りWCOのガイドラインなどの国際基準に従ったものとすべきである。具体的に通関業者へのベネフィットとしましては、審査・検査上の配慮等をお願いしたい。また、AEO事業者の要件としましては、すべての事業者について一定期間の営業実績を見る必要があると。また、通関事業者に係るベネフィットとしては、営業区域の拡大が考えられるのではないかと� �また、通関業者につきましては、輸入に係る引取申告と納税申告を分離することや、臨時開庁手数料の無料化等を希望したいというような御意見がございました。

また、航空フォワーダーにつきましては、これは物の搬送、それから通関、倉庫等の業務、そして実際に航空機に積み込むまでの業務をすべて兼業している業者が多くありますので、複数の事業を兼業するため、複数の資格を持つAEOということになります。その場合、承認申請手続に統合・簡素化等をお願いしたいとの御意見がありました。

また、航空会社につきましては、AEO認定を受けることによって、成田空港と羽田空港の一体運用の観点からの手続の簡素化をお願いしたいとの御意見がありました。

また、船会社でございますけれども、米国、E Uともベネフィットがないので、それはいいけれども、国際的に既に業規制があり、米国、EUでもそれぞれのAEOに入っているのであれば、同様の基準で重複がないようにしていただきたいというような要望もございました。

資料を1ページめくっていただきまして、既に導入されたAEO制度の影響、改善点についてでございますけれども、輸入に係る簡易申告制度につきましては、担保管理の見直し、引取申告の入力項目を少なくすることが必要ととの御意見がございました。

それから、特定輸出申告制度につきましては、現状よりもさらに利便性の高い制度として利用の拡大を図るようにしてほしいとの御意見がござました。

また、特定輸出申告制度につきまして、EUにおきましては、AEOが2種類導入され� ��おります。ひとつは、いわゆる手続の簡素化だけをベネフィットとして与える手続簡素化AEOでございます。これは要件もセキュリティの部分が比較的緩くなっているAEOでございます。それと、その要件に加えて、セキュリティ部分も加えました安全AEOというのをEUは入れております。こちらの方のベネフィットは、手続の簡素化に加えて、基本的には米国等との相互認証の対象となり得るということが基本的なものでございます。それから、審査・検査の軽減という最大のメリットは、安全AEOのみに適用されるということになっております。

それから、特定保税承認制度につきまして、全国展開している業者から、エリアごとの承認というのも考えていただけないかというような御意見がございました。

それ から、(2)の相互認証の関係でございますけれども、グローバルにビジネスを展開する企業にとって大きなアドバンテージになるので、積極的に進めてもらいたいとの御意見。それから、既に財務省としても交渉の場で米国に対して申し入れていますけれども、先ほど申し上げた24時間ルールにより非常にリードタイムが長くなっているものですから、AEOについてはそれを適用対象外としてほしいとの御意見がございました。


グローバルマーケティングのためのインターネットを使用している両社

それから3点目、先ほど説明申し上げた輸出における保税搬入原則についてでございますけれども、これにつきましては、我が国以外では一般的でない制度であり、これがコスト増やリードタイムの長期化の一因となっているため、これに固執すべきではないのではないかという御意見が主にユーザーサイドから出されておりましたけれども、その一方で、対米輸出については、72時間前にコンテナヤードに持ち込むことになっており、これは民間の問題もあるので、イギリスでは米国に対して同様に、24時間前に船積みデータを提出する必要があっても、48時間前になっているので、民間も含めて短縮すべき努力をする� ��要があるのではないかとの御意見がありました。

また他方で、これは航空フォワーダーの方からでございますけれども、特定輸出申告制度を導入しますと、貨物の管理は基本的に輸出者が行いますので、どんなものをどんなふうに管理しているかわからず、チェックが本来求められている部分がチェックできないようになっている面もあるという御意見がありました。

それから、資料の次のページでございますけれども、保税搬入原則につきましては、まず特定輸出申告制度の拡大・定着を図るべきで、保税地域は効率的な検査の実施の目的にかなうものである。また、実際倉庫を管理している者から見ると、必ずしも素性が明確でない輸出者、輸入者の貨物が持ち込まれることもあるので、こういった原則の見直しには時間を かけてある程度検討していった方がいいのではないかとの意見が出されたところでございます。

私の方の説明は以上でございます。

○圓川座長 ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問等いただきたいと存じます。いかがでしょうか。

○伊藤(博)委員 9ページのECの例外のところで、ローカル・クリアランスというのがあるんですけど、「自社の社屋等に貨物を置いた状態で輸出申告することができる」と。一定の条件を満たしている人に対して、先ほどの御説明は、大企業等がこれに該当するというお話ですけども、この場合に、自社の社屋等への検査等は原則行うのか行わないのか。あるいは問題があるときだけに行うのか。その辺はどういうふうになっているんでしょうか。

○上斗米業務課長 申告がなされまして、EUの当局も検査の必要があるという場合は、そちらに出向きます。これは出向く際に手数料を取る国もございますけれども、場合によっては税関が便利な場所に持ってきてもらうようなケースもあるようでございます。そういった形で、申告がなされた内容を見て、必要があった場合については適切な検査を行っているというふうに承っております。

○伊藤(博)委員 もう1つよろしゅうございますか。

○圓川座長 どうぞ。

○伊藤(博)委員 関係者の御意見をお聞きになったときに、その対象業種の範囲を広げる方がいいという意見が多いように読み取れるんですけれども、最後のところで、例えば航空会社なんかの場合、現在やっている本来の検査目的が、それによって阻害されちゃ困るよという意見も追加されているんですけれども、広げた方がいいよと言っている人と、そうではないと言う人と両方あるということなんでしょうか。それとも、航空会社を含めて、要するに新規に加わるであろう分野の人たちも含めて広げた方がいいよという感じなんでしょうか。

○上斗米業務課長 只今、伊藤委員の御指摘があった点は、むしろ航空フォワーダーの方から出た意見です。航空会社というよりも、実際に貨物を運んでいく業務を行っている方でございますけれども、つまり運送業者も、自分が運んでいる荷物がどの程度の安全性があるものなのかどうか、危険がないものなのかどうかと、そこを確認する義務というのがございました。ところが特定輸出申告制度が導入されましてすべて輸出者が貨物を管理するという制度になりますと、運ぶ者にとってはすべてがブラックボックスになってしまい、したがって、運ぶ者がある意味責任をとれない部分というのが若干あるのではないか、そういった懸念が出たということでございますので、AEO制度を国際物流の間に介在する事業者に� �して、新たに拡大して導入していくという話とは若干違っている話でございます。

○圓川座長 よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

○岡本委員 わかれば教えていただきいたんですけれども、EUはAEOをセキュリティのAEOと手続簡素化に分けている。セキュリティの方は、相互認証の対象を想定しているということで、割合としてはどれぐらいというのはわかりますか。

○上斗米業務課長 EUは、実は来年の1月から制度が実施されることになっておりまして、既に細則が国によっては発表されておりますので、申請の受け付けは既になされているんですが、実際にAEOとして認定し出すのは来年の1月からで、早くても春になると思います。つまり、EUの場合、1つの国で認定したものを、40カ国EUは加盟国がありますので、ほかの国にも同様に広げる必要がありますので、各国の細則がすべて出そろわないと、EUの域内で統一されたAEOにならないということもございますので、そういう意味では、まだ手続簡素化AEO、それから安全AEOにどのくらい来るというのはわかっていません。

要件としましては、簡素化AEOの方はベネフィットが実は明確にされており� �せんで、先ほど申しましたように、ローカル・クリアランスのような既存の簡素化措置に申請する際に重複した審査をしないこととされています。AEOの要件が微妙にずれているものですから、既存の簡素化の要件とですね。重なっている部分については二度手間をかけないので、速やかに既存の手続の簡素化のベネフィットが得られるような形に、申請承認手続が短縮化されるだけでございます。これらに加えて、セキュリティ面が入ったものが安全AEOだと御理解賜りたいんですが、そちらは審査・検査、税関のチェックの頻度が軽減されるとともに、相互認証の対象となるということでございます。

○圓川座長 ほかにいかがでしょうか。どうぞ、大来委員。

○大来委員 御説明いただいた資料の6ページに、日本と米国、ECの比較がしてあるんですけど、日本は白い部分がかなりある。AEOがカバーされていない部分が幾つかあるけれども、米国とECはもう全部AEOでカバーされているというのを見ると、何か日本で通関業者とか国内運送業者、保税運送者等々について、要するに今白くなっている部分について今後青くすることについてどういう問題があるのかというのがちょっとよくわからないんですけど、2ページのところでは、ヒアリングというか、協議会での意見というのは出ているんですが、これはなるべくAEOでカバーしてくださいという御意見が出ているんだなというふうには読めるんですが、何が難しいところなのかというのがよくわからないでこ� �いう協議会で出た意見を拝聴しても、ちょっと頭によく入ってこないので、少しその辺を御説明いただけないかなと思ったんですけど。

○上斗米業務課長 1つは、まず米国の場合は、C−TPATというのは基本的にボランタリーなプログラムでございます。したがって、ある意味で税関の裁量の範囲内でかなりやっている部分というのが非常にあるというわけでございますけれども、日本の場合、関税関係法令の特例という形で、これをより透明性、客観性、公平性の高い制度という形になってまいりますと、既存の関税法の枠の中で、法律上どういった特例的なものを与えるかという部分が可能なものなのか、可能なものでないのかという形になってまいるわけでございます。例えば、輸入に係るAEOとして認定された特例輸入者であっても、通常であれば、1回で多くのデータがそろうまでは申告できないものを、少ないデータのある段階で、まず� �りあえず輸入の申告だけはできるという、つまり、法律に定められた税関の手続を特例することができる者として認定をしているわけでございます。

あと、輸出についても、通常の者であれば、まず保税地域に搬入して、その後でなければ輸出の申告ができないという手続を、税関が認定した者はそこに運ぶことなく申告ができるという、関税関係法令の特例を得る者という形でやっているわけでございますので、そういう意味では、米国、ECにおいても業法の部分というのは、恐らく税関以外の省庁が担当していると思うんですが、その業法とは関係なく、基本的に税関がある意味で裁量を与えられる世界の中でやっているのが米国ないしEUのやり方でございます。

したがいまして、日本の関税関係法令の体系の中で、こ� ��いった国内運送業者であるとか、例えば、船会社、航空会社のようなところまでどういう形で取り込めるのか。また通関業者については、米国はブローカー制度という形で、日本と同様に通関業者が税関の許可を受ける制度が入っておりますが、ECは入っている国と入っていない国が実はあります。通関業者という業自身は存在していたとしても、既に許可を税関から一度受けているか受けていないかという意味で、必ずしも受けていない業者というのもいるわけであって、そういった法令の、この6ページにも関税法の規制対象と業規制の法令ということがありますけれども、そこの仕分け、それから関税法上の特例措置が与えられない者に対して税関が勝手に認定していいのかどうか、つまり、船会社の場合、先ほど私、ベネフィ� �トは米国、ECでもないというふうに申し上げましたけれども、あるいは通常途中にある介在者はないんですね。そういったベネフィットがない中で税関が勝手に、あなたはAEOですよというようなことが行政として日本で許されるのかどうかといった問題がございます。

○圓川座長 メリットと物がリンクしているところが多いということですね。どうぞ。

○櫻井委員 少しわかってきたんですけれども、資料の4ページで、保税搬入原則の話で、「倉庫には素性が必ずしも明確でない人の貨物が持ち込まれる」という表現があって、どういう意味で言われているのかなと思うんですけど、素性が必ずしも明確でないというのは具体的に何を意味していて、素性が明らかだとどういう効果があって、それで、全体の資料の6ページで見ますと、関係者が事業体、事業者がいるわけですが、どういうふうに情報を把握されていて、素性が明らかな人とそうじゃない人というのは区別ができるのか。どういう価値基準でおっしゃっているのかというのを教えていただければありがたいんですが。

○上斗米業務課長 輸出の申告を行うに当たって、ジャストプロが輸出入者符号を、発行しているわけでございます。輸出者全体では、日本では約18万者おりますけれども、実際にそういった符号を持っている方、つまり、継続的に輸出なり輸入を行う方はそういう番号を持っている方が便利なものですから、そこに登録されて自分でとっているんですね。それが4万9,000者です。無符号者の方が、実は13万1,000者と多うございまして、つまり、1回切りの荷物というのが、倉庫業者の倉庫に運び入れられるようなことも相当程度あるわけでございます。その際、その者がどういったバックグラウンドを持つ方かというのは、なかなか商慣習上聞ける部分と聞けない部分というのもありますので、倉庫業者から見れば、どういっ た顧客であっても、とりあえずお金を払っていただければ受け入れざるを得ないので、そういったようなことを言っているんだというふうに私は理解しております。

○櫻井委員 でも、民間同士の関係の中で、ある程度情報があるないという話なので、   行政がそれを把握しているかどうかということとは、またちょっと次元が違う話ということになりますかね。

○上斗米業務課長 まさに、税関当局としては、実際に申告がなされた段階でネームが入っておりますので、過去におけるその者の輸出ないし輸入の実績というのは税関のコンピューターの中にデータとして蓄積されておりますので、その中からリスク判定というのを当然行っていくわけでございますけれども、まさに初めての者というのも相当程度あります。特に符号がない者であるとか、その背後いる輸出者ないし輸入者は違う方であったとしても、とりあえず代行して輸出入を行う者の名義は違うというようなケースもございますので、そこを判定するのは、ある意味で税関の仕事の相当部分になっているということでございます。

○櫻井委員 それと、6ページにあるような、いろんな主体がいるんですけれども、それぞれがそれぞれの所管の法律の中で、もちろん民間同士の情報の収集というのはあるでしょうけれども、許可業者であったりとか、あるいは事実上情報が収集できるとかということでいくと、これはそれぞれについて同じように選別が可能というふうに考えていいんですか。船会社とか通関業者とか。つまり、行政がある程度情報を把握していて。

○上斗米業務課長 その事業者に関する業上の情報というのは、例えば関係当局、多くは国土交通省がされると思いますけれども、先ほど申し上げた貨物がどうかということになりますと、この事業者は、その貨物を取り扱うに当たって必要な安全管理等を行わなければいけない等々の規定が定められているのが基本ですので、その貨物の中身まで、そういった事業者を監督する立場の、例えば国土交通省が把握しているということは、それは難しいんじゃないのかなという感じがします。一方、その事業者の事業運営を行うに当たっての履歴なり何なり実績なり、そういったものの把握はなされていらっしゃるのではないかというふうに思います。

○圓川座長 どうぞ。

○林委員 3ページ目の相互認証のところなんですけども、今、6ページのところで大分制度が各国で違うので、相互の認証といっても、なかなかうまくかみ合わないんじゃないかなという感じがするんですけど、業界の方からいろいろ要望がある。例えば米国については、先ほどの御説明で、かなり税関のボランタリーな措置がAEOのかなり重要な部分だとすれば、このような、例えば100%検査条項という法律に基づくようなものが、相互認証協議の中でお互いにやりましょうというような、そもそも話になり得るのかどうか。その辺がちょっとよくわからないので、こたえられるものなんでしょうかと。

○上斗米業務課長 船積み24時間前に貨物情報の提出であるとか、今回新たに両院で可決されて大統領が署名したコンテナに係る100%のエックス線の検査条項、まずは法律に基づいている部分が直接適用される部分については、C−TPATとして認定するというのはまさに税関の行政の裁量の範囲内ですから、あくまで相互認証したとしても、税関の裁量の範囲内でしか米国政府もこれはこたえることができないということになりますので、法律に基づいた準拠をそこから外すには、法改正を米国でやっていただく必要があります。逆に言いますと、民間の方々の要望も、法改正も含めて相互認証された優良な事業者については外していくように働きかけを行っていただきたいとのことですので、まさに相互認証はそういっ たものを働きかけるための1つの手段の部分もあるというふうに我々認識しております。

○林委員 そうなると、向こうのそういった法改正に対応して、こちらの方もかなり相互認証的なことを譲る部分というのもなかなかないと、お互いにやりにくいんじゃないかという感じがするんですけど、そういうのは実際に可能なステップとして視野には入れてあるんでしょうか。

○上斗米業務課長 相互認証するに当たって最大の問題になりますのは、それぞれの要件の詳細な部分が合致しているのかどうか。日本が認証したものは米国当局から見ても満足なものなのかどうかということを証明してもらいたいと。簡単に言うと、こういう形になってくるわけでございますので、米国の方は、セキュリティについて実は相当細かい規定というのを持っておりますので、そういった部分を米国との交渉の中で求められた場合、我々が今まで認定してきた企業、さらに今後認定する企業についてより細かな部分まで見ていくことになるということはあり得るのではないかと思っています。

○圓川座長 よろしいでしょうか。もし御質問がございませんでしたら、次にヒアリングの方に移らせていただきたいと思います。

社団法人日本経済団体連合会、社団法人日本貿易会及び社団法人日本物流団体連合会から、それぞれ御意見を聴取したいと思います。

それでは、通関制度の改革に向けた意見としまして、社団法人日本経済団体連合会産業第一本部、太田国土グループ長、社団法人日本貿易会を代表しまして、住友商事株式会社、高山IT開発・推進チーム長から御説明をお願いいたします。

〔日本経済団体連合会・日本貿易会着席〕

○太田国土グループ長(日本経済団体連合会) 日本経済団体連合会の太田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、「通関制度の改革に向けた意見」ということで、考え方を述べさせていただきたいと思います。資料2の「『通関制度の改革に向けた意見』について」ということで、お手元にお配りいただいているかと思います。

では、早速述べさせていただきます。


ここで、iは自由のための犯罪者のバックグラウンドチェックを行うことができます

資料を1枚めくっていただきまして、1ページ目のところでございますが、基本的に、企業というものは、国際競争力の維持向上をその目的といたしまして、市場の変化に迅速・効率的に対応するということで、設計から部材の調達、生産、販売に至るプロセスを1つのサプライチェーンとしてグローバルに構築をするということをやっているわけでございますけれども、その中でリードタイムを極力短縮をすること。あるいは、コストの極小化に努めているということでございます。

それでは、国の方ではどういうことかということでございますけれども、こうした状況に呼応して、国家の間でもグローバル 化の企業のニーズに即したビジネス環境を提供するという競争が国の間でも繰り広げられているというふうに私どもの方では認識をしております。

したがいまして、こうした中で、その企業の立場からいたしますと、競争に対応できない国家では海外企業の進出が見られない。あるいは自国の企業も国外に流出していくというような状況ではないかというふうに見ているわけであります。

一企業のみならず、我が国経済の活性化を図るという観点からは、我が国の輸出を行っている企業が、グローバル競争を制度的なイコール・フッティングのもとで行えるように、政府におかれましては、国際的に見て遜色のない通関制度をぜひとも構築していただくようにお願いを申し上げたいというふうに思っている次第でございます。

< p>さらに、日本の競争力の強化という観点に立ちまして、中長期的な視点から、国際物流の潮流に即した制度の抜本的な改革ということを実現していただくために、官民がパートナーとして情報を共有して協力しつつ、制度見直しのためのロードマップの策定ということをしていくことも重要ではないかというふうに思っているわけでございます。これが私どもの基本的な考え方でございます。

そこで、では、具体的にどういうことかというふうに申しますと、この1番のところでございますけれども、日本版のAEO制度の構築に当たって申し上げたい点ということでございます。

(1)の部分でございますが、特に下線の部分でございますが、この際、手続の簡素化とか、セキュリティの確保ということを明確に分けてお考え いただいてはいかがかというふうに思っております。この手続の簡素化ということにつきましては、輸出貨物の保税管理の廃止をはじめといたしまして、徹底的に要件の簡素化というものを進めていただければというふうに思っております。また、このセキュリティの確保というところにつきましても、諸外国との相互認証というところをにらみまして、セキュリティ要件を根本的に見直していただいてはいかがかということを申し上げさせていただければというふうに思っております。

2番目でございます。AEO制度というのは、私どもの方では、企業の自主的な参加を促すインセンティブの制度とも見られるわけでございまして、その企業のコンプライアンスを審査するに当たっては、企業における自主的な内部統制の取り組み とか、あるいは業務の手順などをもとに御判断をいただくものではないかというふうに思っておりますので、新たなコンプライアンスの要件を課すようなことがないようにお願いを申し上げたいというふうに思っている次第でございます。

それから3番目でございますけれども、国内の運送事業者でございますが、通関事業者、あるいは船会社、航空会社、あるいはメーカーなどについても、それぞれサプライチェーンの中で重要な役割を担っているということでございますので、これは欧米と同様、そのAEO制度の対象としていただければというふうに思っております。

特にサプライチェーン上の各事業者が、自分の手元の占有下にある貨物のセキュリティを確保するということは、これは当然やらなければいけないことで� �ざいますけれども、サプライチェーンの隣接するところで、事業者間において適切な連携を図りながら、サプライチェーン全体のセキュリティが確保されるという、こういう仕組みも必要になってくるのではないかというふうに思っている次第でございます。

次に4点目でございますけれども、ただいま述べましたような事業者をAEO制度の対象事業者とする場合でございますが、サプライチェーン上の各事業者の責任を明確化することが必要であるということでございます。

資料を1枚めくっていただきまして、2ページ目でございます。ここのところで、2番のところでございますが、現行制度の見直しに当たって、また意見を申し上げさせていただければと思いますけれども、(1)の部分でございます。特定輸出申告� ��度がございますけれども、輸出貨物の保税管理の実質上の廃止、あるいは日本版AEO制度の構築に向けた過渡的な制度というふうに位置づけていただけないかというふうに思っておりまして、保税管理の実質的な廃止を含む手続の簡素化と、それからセキュリティの確保とをその目的とする日本版AEOの制度の構築を分けて考えていただく必要があるのではないかという点を改めて述べさせていただきたいというふうに思っております。

また、2番目でございますけれども、保税蔵置場のさまざまなコストでございますけども、これは我が国企業の国際競争力を左右するものでありまして、その削減というのは非常に重要な課題となってくるということでございます。したがいまして、その区分1の許可に該当するものにつきま� ��ては、臨時開庁手続・手数料の廃止をいたして、24時間365日の通関を可能にしていただくとともに、NACCS利用料金や保税許可手数料などの大幅な引き下げというところについても御検討いただければというふうに思っております。

そして、(3)でございますけれども、包括事前審査制度の部分でございますけれども、特定輸出申告制度に移行されるということで、その場合、この既存の利用者がこれまでの利便性を享受できなくなるということでございますので、したがいまして、まず当面は特定輸出申告制度の改善を図っていただきまして、包括事前審査制度よりもより利便性の高い制度としていただきまして、利用者が円滑に特定輸出申告制度の方に移行できるように、これは当面はということでございますけれども、� �願いを申し上げたいと思いまして、その間、包括事前審査制度の廃止というのも延期をしていただけないかということでございます。

そして、この3番目でございますけれども、輸出貨物に対する保税管理の廃止という点でございますけれども、1番のところをごらんいただければと思いますが、我が国と欧米諸国とを比較して見た場合でございますけれども、利便性という面で、この制度のユーザーという面での利便性ということでございますけれども、これが非常に歴然とした格差が生じているということでございまして、とりわけ輸出貨物に関する保税管理ということは、私どもが調査をした限りでは、我が国固有の制度ではないかというふうに見ております。したがいまして、この保税地域や保税蔵置場への貨物の搬入後で� �ければ申告ができないということがコストアップとリードタイムの長期化といったような問題の原因になっているというふうに申し上げたいと思っております。

それから2番目でございますけれども、そもそもでございますけれども、保税蔵置場における貨物の搬出入を記帳するということで、十分なセキュリティ対策となっているのかどうかというところでございます。その輸出の貨物の生産地点から船積みまでのトレースというものがセキュリティ対策上は必要であるということでございましょうけれども、現行の港の地域に集中した保税管理で、これで対応が本当にできるのかどうかというところでございます。したがいまして、この保税搬入にこだわらないで、セキュリティが確保できる制度というものを改めて構築すると� �うことがこの際求められているのではないかというふうに思っております。

「なお」でございますが、現在の制度のもとでも電子化の申請とか処理がなされておるわけでございますから、リスク判定は、現状でも、そういったテクノロジーを利用すれば十分可能ではないかと。また、それに基づく検査も可能ではないかということで、いわゆる保税搬入原則というものに固執する必要性というものが本当にあるのでありましょうかというところでございます。

私の方からは以上にいたしまして、本日一緒に貿易会の高山さんに来ていただいておりますので、さらに御説明をいただきたいと思いますので、お願いいたします。

○高山IT開発・推進チーム長(日本貿易会) 日本貿易会の高山と言います。今、太田さんの方からあった話を少し補足させていただきます。

貿易手続改革プログラムの作成の段階において、民間側の事務方として関与した何人かの方がいらっしゃるんですけれども、特にその中で、荷主のメンバーを中心に、今後の貿易改革手続プログラムのフォローアップをどうするのかと、どう実現していくのかということから欧州の方に調査に行って参りました。

それで主な目的としましては、欧州では保税搬入原則というものがあるのかないのか、どういう状況になっているのかという点。それからもう1点は、今後日本として至急取り組まなければいけないAEO制度というもの、これがEUの方ではどうなっている のか、このあたりのところを中心に調査を行いました。

調査した対象国としては、英国とオランダとそれから欧州委員会の方に参りまして、なお、英国、オランダにつきましては、各税関、荷主、フォワーダーとの面談、またオランダにおいては、それに加えまして港、これも視察いたしました。それからECにつきましては、ECの中の関税担当の方とお話をさせていただいたということでございます。

本日資料1の10ページの中で、欧州の部分についての法令の抜粋等がございます。法令の根拠(EC)、10ページですけども、ここに原則と例外というふうに書かれており、原則は、ここの趣旨からいくと保税に入れないといけない、また、例外としてLCP(Local Clearance Procedure)手続なるものがあるという、こういう書きぶりになっています。日本の関税法では、例えば、現行NACCSシステムを使って九十数%が申告されているにもかかわらず、これはあくまでも例外手続だという位置づけに法令上はなっているだけで、例外だから利用は少ないんですよといったところの意味合いではないというふうな理解が必要と考えます。

そういう意味からいきますと、ここに書かれております例外と資料では書かれていますがLCP(Local Clearance Procedure)手続は、特に英国、オランダ等において調査した限りにおいて、一般的に行われている手続であるということでございます。そういう意味から、一般的な意味では例外ということでないということでございます。

それから、同じく10ページのところで、Notice275の抜粋がございますが、その中の文章として、税関に貨物を持ち込んだ後、あるいは税関が承認した場所に持ち込んだ後に申告をしなさいという記載がございます。このとおりでございますが、Notice275の全文を見ますと、まず電子的な手続についてはNotice275ではなくてNotice276の手続によるということが書かれております。さらに、この中で、10ページでお示しになった前段に、電子的な手続についてはNotice276の手続によるというような記載もございます。したがいまし� �、英国の例でいきますと、まずNotice275、これは一般的な手続を書かれている。それから、紙による手続、つまり電子的によらない手続の部分について記載がされているのがNotice275です。

現在英国においてはCHIEFというシステム、日本でいうNACCSシステムに相当するものですけれども、そちらを使う場合は、Notice276という制度に従って手続をしなさいという記載になっております。日本の関税法とは異なった体系となっていますので、原則、例外といった解釈にはなりません。

それで、上に出ていますLCP(Local Clearance Procedure)手続は簡素化された手続ですけれども、これは何かといいますと、要するに荷主、あるいはフォワーダー等が自社の施設で申告ができますという制度でございます。したがいまして、日本で昨年から導入された特定輸出申告制度、すなわち保税地域に貨物を入れなくても申告できるという制度とかなり近い性格を持った制度がこのLCP(Local Clearance Procedure)手続ということになるわけです。この制度の前提としましてはNotice276、すなわち電子的に処理を行う場合にこの手続ができますということが記載されております。電子的に処理するというのは現行一般的に行われているのは日本も英国も同じなわけですけれども、基本的にNotice275ではなく、Notice276という仕組みで輸出入申告が行われています。その中で1つのやり方としてLCP(Local Clearance Procedure)という簡素化された手続きが可能となっているということ、しかも、その制度自体が広く一般的に使われているということでございます。

つまり、英国の場合においては、手続の簡素化と電子化が別個に進められたということではなく、電子化に伴って手続の簡素化も同時に行われたと理解しております。

さらに、そういった簡素化の手続に加え、9.11以降セキュリティの問題が出てきたということで、AEO制度というのを新たにその上に追加しているということでございます。

EUの場合のAEO制度というのは2種類あって、従来からの簡素化手続をAEO制度として置き直したものと、それに加えて、セキュリティ強化を目的としたAEOセキュリティ、セーフティというこの2つの制度から成り立っており ます。基本的にAEOのセキュリティ制度というのは、簡素化の手続の上に乗っかっているということでございまして、このあたりのところも、日本がこれから導入する上で、検討する上で1つの参考になることではないかというふうに考える次第でございます。

以上でございます。

○圓川座長 ありがとうございました。それでは、御質問、御意見等、よろしくお願いいたします。どうぞ。

○伊藤(博)委員 今の高山さんの御説明で、ヨーロッパの例で原則と例外どっちが原則かと。法文上は例外と言われているものが事実上の原則じゃないかという御説明だったようにお聞きしたんですが、ただ、今のお話の中にもありましたように、電子化を果たしているような企業を念頭に置けばという大前提があってのことじゃないかと思います。日本の場合でも、輸出業者全部をとった中での電子化しているところ、あるいはそれをやり得るところというのは限られているという意味で、制度の立て方としては、やっぱりあるべき姿は、大企業だけじゃなくて、中小も含めた全体を念頭に置かざるを得ないだろうなという意味では、あたかも、ECと日本が逆の制度の立て方のように聞こえましたけど、むしろそうじ� �なくて、ECもあるべき姿というのは、大小を問わず全体に通ずる原則を書いておいて、特に能力等がしっかりしているところはそれなりの簡素化を認めていきますよという立て方では、ある意味で同じじゃないかなという感じなんですけれども、そういう認識でおられるのか、それとも、いや、そうじゃないというふうに言っておられのかというのが1つ。

それから、最初の太田さんへの質問ですが、1ページの1の(1)のところで、「手続の簡素化とセキュリティの確保を明確にわけて考える」と。観念的にはまさにそうだと思うんですけれども、ただ、セキュリティの部分を、特に諸外国との相互認証を念頭に置いて云々というところから想像しますと、かなり限定的な感じで言っておられるのかなというふうにも思います� �他方、相互認証というのは、要するにそれぞれの国の国内法でとっている制度が当該その交渉相手国において、国内の手続とほぼ同等だと認定できるときに初めて議論の俎上に上ってくるので、現状で見ていきますと、果たしてそんなにたくさん、日本のいわばセキュリティ意識と同じ程度という国がどの程度あるだろうかと。同じことは、外国から見ても、日本を相手にしたときに、自分の国と同じ程度の危機意識でもってやってくれているのかという認定ができる国がどの程度あるだろうかと。そういう意味では、相互認証とはいうもののそう簡単じゃないだろうなと。

したがって、当面はやはり、それぞれの国が簡素化という要請とセキュリティの問題とそのバランスをどの辺でとっていくかということを念頭に置きながらや� �ていかざるを得ないという意味では、観念的には分けるという議論で、それはそれでいいんですけれども、事実上は、やはり両者どの辺のバランスが大事かということの議論じゃないのかなという感じがします。

そういう意味で、特に最近の流れ、先ほどの高山さんの御説明にもありましたように、9.11以降セキュリティの問題というのが従来以上に、これまではどちらかというと、簡素化という流れ一辺倒であったのが相当巻き返すような動きになっていると思います。特に米国なんかの最近の動きなんかは、まさにそちらの動きの方がより前面に出てきているような感じもします。そういう意味では、理念的には分けるべきものかもしれませんけども、やはり両者のバランスをどうとるかという意味で、必ずしも1つだけで整理は� ��きない。むしろ両々相まってというバランス論じゃないのかなという気がするんですが、そんな理解でおられるのか。いや、そうじゃないというふうに考えておられるのか。

以上です。

○圓川座長 では、高山さんから。

○高山IT開発・推進チーム長(日本貿易会) では、最初の方の質問で、原則か例外かという議論をしてもあまり意味がないのかなというふうに思っているところでございます。私が最初に申し上げましたのは、一般的に例外といいますと、通例にあてはまらない例外的な少しの手続きが対象となるということですので、実際にこの手続(Local Clearance Procedure)が一般的に行われているので、そうではない(例外ではない)ということを申し上げたわけです。


多くなる影響をリーダーがあります

我々が必要としているものは何かというと、基本的に太田さんの説明にございましたように、いかに輸出手続、輸入手続を効率的にできるようにするのかというのが主たるポイントだということかと思います。ですから、原則か例外かという議論が先にあるのではなくて、いかに効率的な手続ができるのか、そのためにはどうしたらいいのかということだと思います。

しかしながら、例えば日本の場合、電子化といったときに、NACCSで電子的に処理をするというと、これは例外だということですから、紙による手続があくまでも原則だという立場に立てば、この電子化がなかなか進まないとか、そういうことが起こり得るものと考えます。あくまでも� ��手続として紙というのが存在して、その例外として電子化があるということであると、なかなか完全電子化というところに到達しにくいのかなと思う次第です。そういった若干の問題があるかもしれませんけれども、基本的にそういった原則、例外の問題じゃなくて、いかに簡便な手続ができるのかが重要です。しかもそれが、大手企業だけでなく、中小企業も含めて利用できるのかというのが重要なことだと思います。

それで、英国の場合でいきますと、要するに電子化システムを導入するときに、税関手続の見直しを同時に行っているということでございます。そういった1つの流れとして、先ほど申しましたLCP(Local Clearance Procedure)とかSDP(Simplified Declaration Procedures)とかいったものがあり、簡素化が体系づけされているということでございます。

○太田国土グループ長(日本経済団体連合会) それでは、私の方から、2番目の先生からの御質問について私の考えを述べさせていただきたいと思います。

私ども意見の中の1の(1)の部分についての御質問でございました。特にセキュリティの意識というものについて、海外のそのセキュリティの度合いと、それから我が国の度合い、あるいは海外が日本を見るときのセキュリティの度合いをどういうふうに見るかという問題もあるのではないかという御指摘。それから簡素化の要請と、セキュリティの要請とのバランスをどうとるかということだったかと思うんでございますけれども、恐らく、日本版AEOの制度の構築がなされて、企業がそれに認定をされるということは、つまり、その企業が企業のある意� ��パスポートを取得をするというような意味合いがあるんじゃないかというふうに思うんですね。つまり、日本政府の方でこういうものはこういう事業者が、これはきちんとした事業者でありますということを認定されるということでございましょうから、政府で認定されたものについては、外国でもきちんとこれを認定してくださいということにつながってくるわけでございましょうから、ある意味、これは日本の国の制度がどれぐらい外国から信頼されているかというところにも、いずれはつながってくる問題ではないかなというふうに思っているわけでございます。

それで、ビジネスの立場からいえば、できるだけスムーズに流すことができる。それも安全なきちんとした品物であれば、急いで出すようにお願いをしたいという� ��が私どものこの数年来お願いを申し上げているものの最も基本でございます。したがいまして、きちんとしたこれは製品である。あるいは、その企業であるというところのお墨つきをいただいた事業者については、手続を簡素化していただいて、そして、もしかすると、ちょっと問題があるかもしれないと思われるようなところについてのセキュリティを集中的にやっていただくということで、めり張りをつけるということをお願いできないかなというのがこの趣旨でございます。ですから、ちょっと繰り返しになりますけれども、そのAEOできちんと認定された優良な企業については、できるだけ早く出していただくような、そうした手続の簡素化の徹底という問題。

それから他方で、そうはいいましても、危険なものが出てい� ��てしまうというような問題についても対応しなければいけないという御趣旨も十分わかっているつもりですので、そちらの方はまた集中的にやっていただくというめり張りの問題というところで御理解をいただければと思う次第でございますが。

○圓川座長 伊藤委員、いかがですか。よろしいですか。では、ほかにいかがですか。

○櫻井委員 お話を伺う前に、保税搬入原則のことで、例えば輸出業者さんがかなりある中で、登録をされている方の数の方が少なくて、必ずしも倉庫には素性が明確ではない方の貨物も持ち込まれるということもあるので、これを見直していくには非常に慎重な検討が必要ではないでしょうかという、そういう御説明を受けていたんですね。今のお話の中で、保税蔵置場における貨物の搬出入を記帳するだけではセキュリティ対策にはならないのではないかと。私は倉庫でどういうふうに検査がされているかとか全然知らないものですから、搬出入を記帳しているだけでは本当に何もならないという気がしますので、このあたりどうなっているのか教えていただけますでしょうか。

○高山IT開発・推進チーム長(日本貿易会) 我々の認識している限りにおいて、関税法では保税蔵置場には記帳義務があるということでございます。それ以上のことは関税法上で求められているものではないということです。ただ、一般的な注意喚起事項として、不審な貨物があれば、それは税関の方に連絡をしてくださいといった御指導はもちろんあるんだと思います。それにつきましては、例えば、電車の車内で不審物があったら連絡くださいねといったものと大差はないのかなというふうに思っております。法令上は税関にはどこでも、いつでも申告貨物を検査する権限があり、そのことがセキュリティ対策となるものであり、保税搬入原則はセキュリティ対策とはならないと考えます。この点は関税局側さんの� �の御意見もぜひ聞いていただきたいと思います。

○圓川座長 どうですか。記帳するだけで保税、いかがですか。

○増田監視課長 記帳を確かに義務づけているわけでございますが、それで終わりというわけではございませんで、今の話にもありましたとおり、不審な貨物、あるいは取引、そういうものがあった場合には税関が検査をするという、そういう権限をちゃんとこちらで保持した上で、そういうような事務的なことをやっているということでございまして、実態上、不審な貨物というものがそうしょっちゅうあるわけではございませんので、めったに検査がないというそういう実態をもって、これは記帳しかやっていないというのは、ちょっと本来の趣旨とは違うというふうに考えております。

○圓川座長 どうぞ。

○櫻井委員 今の点にもかかわるかもしれませんが、資料の2ページ目の最後のところで、保税搬入原則に固執する必要性はないのだという御意見で、純粋に論理的に考えると、それはそうなのかなという感じはするんですが、ただ、行政としてその制度を論ずる場合は、セキュリティ対策が必要だということ自体はお認めになっていて、それで、貨物のトレースができるということが必要だということなんだけれども、その点についての何か具体的な代替案といいますか、こういうものがあると保税搬入原則がなくても大丈夫ですよというのを一緒にお示しいただけるといいかなと思うので、何かアイデアがございますでしょうか。

だから、この保税搬入原則についてもそうだと思うんですが、例えば印鑑登録なんか� ��、印鑑を押して印鑑登録証明をつけるなんていう場合に、そのこと自体に本質的に意味があるというよりは、そういうのをつけて契約をするという人は割合まともな人が多くて、比較的リスクが低いというのがありまして、現実に持ってくると。そのこと自体、ある種論理的に全部合理的な説明がつくかどうかということは別なんですけれども、しかし、それが事実上持っている効果というのは結構あって、そうすると、そこを軽々にぱっと論理的に変えちゃうというだけだと、ちょっとどうかなといいますか、行政上の目的が阻害される可能性があるんじゃないかということと、そのメーカー等についてもサプライチェーンの中でいろいろ役割があるんだとか、それから責任を明確化した方がいいんだというお話なんですが、そういう� �題意識をお持ちであれば、各主体がどういう役割を持っていて、どういうふうな責任を果たすような仕組みにすると、保税搬入原則をなくしても大丈夫ですよということになるのかということが、大丈夫だという感じがするかどうかというところがポイントなのではないかと思うので、御意見があれば伺いたい。

○高山IT開発・推進チーム長(日本貿易会) その点についてお答えします。

確かに御指摘の点はそのとおりだと思います。要はその度合いをどう考えるかということなんだと思います。例えば、経団連の方の視察で韓国に行ったわけですけれども、韓国でも1994年までは保税搬入原則をしていました。多分これは、日本の制度をそのまま模倣してつくった制度なんだと思うんですけども、保税搬入原則がありました。ただし、1994年に、韓国は、国が生き残るためには貿易を活性化しなきゃいけないということで、手続の簡素化を推進しました。そういった中で、特にコンテナによる一貫輸送の時代であり、コンテナを例えばメーカーで詰めてそのまま海外に出せるといったことによる効率化を図れるので、保税搬入� �則の見直しを行って1994年に廃止をしたということです。その時点で、今、先生がおっしゃったような質問を私はさせていただきました。それに対して、向こうの関税局の方がおっしゃるのは、まさにそのとおりだと。しかしながら、そういう不審な不正な輸出等を行う方というのは非常に限られていて、そのときの例では1%だとおっしゃっていましたが、残りの99%の方は善良な輸出者であり、99%の善良な輸出者を1%のために縛っていいのかという視点からその制度を廃止したとのことでした。一方で、税関としては、それに対してコンピューターシステムを駆使して、リスクマネジメント能力を高めるという努力をしたとおっしゃったわけです。

ヨーロッパにおいても、基本的に自主管理、LCPもその一つですけれども、自 社の設備で輸出申告ができますよというのは基本的な考え方は韓国と同じです。要するに、1%のために99%の業務を阻害していいのかというそういう視点がかなりあって、港頭地区に貨物を集中して管理するという制度はとっていないということです。ですから、諸外国との比較において日本としてどうするのか、日本の企業は信用ならぬということで、まだまだ保税搬入原則は撤廃できないということなのかどうかというのは、これは議論の余地があるのかなと思います。

○圓川座長 どうぞ。

○櫻井委員 ですから、私が申し上げているのは、行政の仕組みを変えようというときに、関税局さんにはできることというのはそれなりに限りがありますし、それから、いろんな業者を対象に入れるということになると、国土交通省さんとか経産省さんとか政府とか、そういうことに対してなかなか役所的には言えない話というのがあって、それを民間の立場から自由に絵を描いた方がいいんじゃないんですかということで、そういう意味での制度論的なアイデアというのを積極的に提示されると、もうちょっと動くかもしれないなという感じがあるものですから、それはまた御検討いただければと思います。

○圓川座長 ありがとうございました。この件は、関税局の方から何かコメントございますか。

○青山関税局長 ちょっと保税の議論なんですけど、保税という名前をどういうふうに見るかという議論なんですが、もともとこの保税云々というのは、税関ができて以来、税関、税関構内、それから保税ということで広げてきた。要するに、外国貨物で通関手続ができるところを増やしましたという、そういう流れであります。ですから、今までの経団連さんの議論もそうなんですが、原則例外という、そういうそもそも論の議論をどういうふうに考えるかというのは、実態に即して拡大しておりますが、保税のそもそもの本質論というのは、税を払わないで外国貨物を置いてOKというような議論です。あくまで当初は税の発想だと。

ですから、今、櫻井先生おっしゃるように、じゃあ何か別に、税の観点で別途チ� ��ックができるということであるならば、更にまたセキュリティの面でどういう形で新たなスキーム、フレームワークをつくりながらやれるかどうかというのを考えるのは1つのやり方だとは思うんです。思うんですが、ただ、それがなかなかできないものですから、みんな保税のスキームを借りてセキュリティーもやっている。

今の韓国のお話も、韓国というのは実質、仁川空港とそれからあと釜山港、これだけであります。したがって、そこに全部貨物が集中してくると。したがって、そこから出るときにどうするかというのをチェックすればいいと。そういうような議論になるわけです。そこら辺ももちろんいろんな問題がありまして、過去の研究会のヒアリングの中では例えば許可の順番が一致せず検査が混乱するというよう� ��問題もあるわけであります。

もう1つの議論は、税のサイドでの議論を申し上げますと、これはヨーロッパ諸国の局長が、異口同音に皆さんおっしゃっていますが、消費税といいますか、要するにVATのほ脱犯というのは結構あると。例えば、たばこを輸出した形にしまして、免税を悪用してそれがまた国内に戻ってくると。輸出したかどうかよくわからないと。そこが一番の彼らの――彼らといいますのは、大体ヨーロッパ諸国は関税消費税局という形になっていますが、このタイプのほ脱犯が大変多いという話をされておりました。私どもの上斗米の方から3つぐらいの観点を申し上げましたけれども、本当にどういうスキームがあるのかなという議論と、そもそも保税の手数料の問題かもしれません。あるいはもうちょっと� ��の問題かもしれません。ECのローカル・クリアランスというのは保税と同じものなんですね。保税でないところでも通関できるようにしようということで、どんどん広げようという発想でやりましたのがこの特定輸出申告の議論でありますから、そこら辺をどういうふうにトータルで考えるのかなという、こういう問題ではないかなと思うのであります。

経団連の方でいろいろ考えていただいている中の話も含めて、どういうふうにしたら一番いいのかなというのを、さらにまた議論させていただきたいなというふうに思っております。

○圓川座長 では、最後に太田さんから。

○太田国土グループ長(日本経済団体連合会) 経団連の太田でございますが、まさしく今の局長の御指摘のところを受けまして、そういう方向で経済界としても一緒に知恵を出させていただければというふうに思っているわけでございますが、その際、冒頭申し上げましたように、やはり企業というのは、これは釈迦に説法みたいな話ですけれども、刻々のビジネスの変化に応じてサプライチェーンを展開し、またビジネスを展開するという、非常に迅速な動きをしているわけでございますので、これまでの制度がどうも合わなくなってきているというところは、これは事実だと思うんですね。まさに櫻井先生の御指摘のように、代替案というところも必要かとは思うんですが、まずは、あれでございましょうか。もちろ� �海外でやっていないからなくしてくれという短絡的なところを申し上げるつもりは全くないわけでございますが、実際にそれがあって、非常に海外の企業と競争するところに足かせになっているというところがありますということと、それからこの行政の目的であります管理の問題でございますとか、安全性の検証とか、そういったところも踏まえながら、そこを押さえながら、何かもう少し新しい仕組みがないだろうかというのが、私どもの根本の問題提起、お願いをしたいところ、一緒に考えていただきたいところということでございますので、これまでの保税搬入、いわゆると申しましょうか、原則をもとにして、それから何か少しずつ変えていくということでなくて、もっと別の方向から何かお考えいただくような、そんなような ことも御配慮願ってはいかがかなということで、きょうの意見を申し上げました。

以上です。

○圓川座長 特に御質問よろしいでしょうか。

では、時間も押していますので、次のヒアリングに移りたいと存じます。太田様、高山様、お忙しいところありがとうございました。

〔日本経済団体連合会・日本貿易会退席〕

〔日本物流団体連合会着席〕

○圓川座長 引き続き、日本版AEO制度の構築に関する意見につきまして、社団法人日本物流団体連合会を代表して、日本通運株式会社、清水海運事業部長から御説明をお願いいたします。

○清水海運事業部長(日本物流団体連合会) おはようございます。日本物流団体連合会を代表いたします清水と申します。よろしくお願いします。

私も今年の5月までロサンゼルスにおりまして、米国のC−TPATというのを目の当たりにしてきましたが、対テロ対策ですとかセキュリティに関して、非常にシビアなものがあります。また、ロサンゼルスに在任中、米国の税関が財務省から国土安全保障省の方に移管されたということで、税関の方も既にセキュリティ中心というような体制が米国では組まれておりました。そんな中で、6月から日本に戻ってまいりまして、今回は日本物流団体連合会の代表ということで意見を述べさせていただきます。

日本版AEOにつきましては、私の物流団体連合会の中 でもまだ意見がすべて集約しているということではありませんので、物流団体連合会一部の意見ということでお聞き願いたいと思います。


まず、今回の日本版AEOということなんですが、セキュリティと貿易の簡素化と、この2つのものを一度に実現するということで、その中で特定輸出申告制度ですとか、簡易申告制度、それから10月、今月から発足しました特定保税制度と、この3つの制度などが柱であると思っておりますが、まず特定輸出申告制度なんですけれども、これにつきましては、物流団体でありますので、通関業の立場からいきますと、荷主さんの方は、今度は保税地区でなくても輸出の通関を切って、それで港に持ち込むことが可能となります。通関を切るのは通関業者なんですが、例えば、お客さんが今まで横浜の保税地区で通関を切って、横浜の通関業者が通関をしていたと。ところが、今度お客さんは� �保税地区でないけれども、自分のところの工場が東京にありますと。東京で通関を切って、それで港に持ち込む。このようなケースがありますと、横浜と東京で通関業者のエリアが違いますので、今まで取り扱っていた通関業者が取り扱いができなくなるといったような不都合も発生することになります。そうなりますと、通関業者の営業区域の撤廃、例えば、このAEOの承認を受けた通関業者については、通関業者の営業区域の撤廃などの対応の必要性が出てくるのではないかというふうに考えております。

それから、簡易申告制度につきましては、これは輸入申告ですね。今までは輸入する際に、今までは関税を払って、それで貨物を引き取るということだったんですが、今度は二段構えで、貨物を引き取った後に引き取りの� �告をして、それで関税を払うといったような二段構えの制度なんですけれども、これにつきましても、手続上引取申告の2回目の申告が、入力項目が多くて、この辺もAEOの承認をされた業者につきましては、例えば簡素化するなり、そういった業者へのメリットということも必要ではないかというふうに考えております。

それから、今月発足いたしました特定保税制度なんですけれども、これは保税地域を今まで1カ所1カ所承認をいただいていたということをこれはまとめて、例えば200カ所あれば200カ所まとめて御承認いただくという制度があるんですが、これは非常にメリットもありまして、大変いい制度だというふうに考えております。

それから、AEOの枠をどこまで広げるかということなんですけれども、このA� ��Oの適用範囲が、例えば国内の輸送業者であれば、それはすべて対象とするにこしたことはないんですけれども、少なくとも貿易に関連する保税貨物を運送する輸送業者についてはAEOは適用すべきだというふうに考えております。

それから同じくAEOを適用する業態の範囲なんですけれども、フォワーダーという職種がありまして、このフォワーダーというのは、到着した貨物をコーディネートして、通関ですとか、それから港から倉庫に持ってくるトラックの手配ですとかをする職種ですが、このフォワーダーにつきましてもぜひAEOを適用していただきたいという意見がございます。

それから、このフォワーダーと関連しまして、海上運送の場合なんですけども、NVOCCという業種がありまして、NVOCCは Non Vessel Operating Common Carrierと言いまして、一応キャリアの範疇、つまり運送人の範疇になっております。ただし、Non Vesselでありますので、船は持っておらず、船会社を利用して輸送責任を負うというような職種があるんですが、このNVOCCに対しても、セキュリティの観点から見ますとAEOの適用が必要ではないかというふうに考えております。

以上でございます。

○圓川座長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に対しまして、御質問、御意見等よろしくお願いいたします。

○伊藤(博)委員 今の御説明の最後のところの範囲の拡大というときに、具体的にどういう制度を念頭に置いて範囲を拡大し、拡大された業者に対してどういうメリットなり義務なりというのを考えておられるのか。

○清水海運事業部長(日本物流団体連合会) AEO制度の目指すところは、冒頭申し上げましたけれども、セキュリティと貿易の簡素化であり、それとその先にあるものとして、お互いの国同士の相互認証により確固たる制度になると考えておりまして、それで、とにかく外国から入ってくる貨物、または出す貨物、この貨物に対して、特にセキュリティの部分ですね。ここのところをやはり網を、外国に行く貨物、入ってくる貨物に対して、それを扱う業者に対してはAEOを適用すべきというような考え方の基本からこういった意見を述べさせていただきました。

○圓川座長 いかがでしょうか。セキュリティと簡素化、要するにセキュリティの方が高い、確保されると、AEOに認証されると、簡素化のメリットがあると。こういう考え方自身は御賛成でしょうか。

○清水海運事業部長(日本物流団体連合会) 必ずしも、そのセキュリティを確保したらメリットがある。簡素化のメリットは直接的には輸出入者が享受されることとなりますが、これは非常に物流業者にとってもありがたいことだとは思います。セキュリティの確保と貿易手続の簡素化については、対応する業者も時間とコストをかけることとなりますが、社会的要請であり、それも非常に団体としてはウエルカムだというふうに考えています。

○圓川座長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。もしほかに御質問ございませんようでしたら、清水海運事業部長には、お忙しいところまことにありがとうございました。これで終わらせていただきます。

〔日本物流団体連合会退席〕

○圓川座長 それでは、本日のこれまでかなり密度の濃い議論をしたと思うんですけども、全体につきまして、さらに御質問、御意見等ございますでしょうか。

○大来委員 AEOというのは、優良な業者については手続を簡素化するという制度だと思うんですけれども、つまり、AEO自体が簡素化という要素を持っていると思うんですが、これまで何か簡素化のAEOとそれからセキュリティのAEOとに分けてはどうかという、そういう御意見が協議会で出ていたように伺ったんですが、それでちょっと混乱してしまったので、セキュリティについても、優良な業者については、この業者の扱った案件ならば、セキュリティ上も問題ないというふうに判断して簡素化をするという意味で、これも簡素化なんじゃないかと思うので、そういうふうにセキュリティのAEOと簡素化のAEOというふうに対立させるというか、分けて考えるという必要が本当にあるのかどうか。ちょ� �ともう一回教えていただけたらと思うんですけど。

○上斗米業務課長 C−TPATも、あるいはWCOにおけるAEOの最大のメリットは、基本的には税関による審査・検査の軽減でございまして、これはセキュリティに非常に結びついている部分ということになりますので、それをもって一般的にセキュリティと言っているケースが多いわけでございます。ただ、それはあくまでも税関の裁量の範囲内で、制度上そういった者に対しては税関がチェックをしないとか、そういうことは書けないものですから、そこの部分でセキュリティという概念が出てくると。一方、税関の手続の多くのものについては、単なる手続ではなくて、セキュリティの確保も目的としたような制度というのは相当入っておりますので、その部分を簡素化してあげるということで、特例をつくる� �いうことなど簡素化の方の部分になってくるということですので、委員がおっしゃるように、セキュリティと簡素化というのを完全に切り離すこともできませんし、あるいはある程度切り離せる部分というのもないことはないものですから、EUのような発想が若干出てきて、手続簡素化AEOについては、貨物の審査・検査の軽減というメリットを与えないという考え方というのも若干あり得る部分があるということだとは理解しております。

○圓川座長 経団連、あるいは貿易会は、いわゆる電子化、これのメリットがないと。これまででね。あるいは、電子化をするがためのインセンティブがないというところにひとつ問題があるんじゃないんですかね。要するに、電子化の義務化という話とも関連するんですけれども、あくまでも特例法になっていると。そういった御意見、簡素化とセキュリティを分けるということと私は思ったんですが、ちょっと違うんでしょうか。

○上斗米業務課長 我が国のAEO制度においては、簡易申告制度、特定輸出申告制度、それから特定保税承認制度もすべてNACCSで電子申告等をしなければならないということは要件になっております。また、EU等も当然そういったコマーシャル上のシステムを持っているということが要件になっておりますので、そういった取引の履歴等を自社でちゃんと管理する電子的なシステムを持っていて、税関に対してもそうしたものを通じて申告をするということが要件になるということでございますので、我が国においても、AEO制度を導入する際に、今座長の方から御指摘のあったようなものというのを取り入れているわけでございます。

○圓川座長 よろしいでしょうか。

○大来委員 ちょっとよろしいですか。そのセキュリティの問題というのは、9.11から始まったというふうに理解しているんですが、そうすると、やはりこれもほかの不正案件とある意味では根本的には同じだと。要するに、公共の安寧に差しさわりがあると。脱税とテロ対策とでは話が全然違うというふうにも言えますけども、ある意味で本質的には同じなので、全体として簡素化というくくりの中で考えるということは可能のように、今の業務課長のお話でも聞こえたので、どうも依然として簡素化のAEOと、それからセキュリティの簡素化のAEOならわかるんですけれども、セキュリティのAEOというふうに言って、その簡素化のAEOと分けるというのが、どうも私の頭では混乱してしまうので、もし、そのセ� ��ュリティについての検査の簡素化、検査なり通関手続の簡素化ということであれば、やっぱり簡素化というくくりでは同じになってしまうので、こういう話は違うといえば違う、同じといえば同じということなので、あまりこだわるつもりはないんですけれども、どうもやっぱりちょっと混乱するなという、そういうことです。

○青山関税局長 よろしゅうございますか。そもそも、何でこういうテロ対策とかいう議論がこの通関手続の中に来たかという議論なんですが、もともと、要は税関というのは港にあって、貨物の輸出入をチェックすると。チェックポイントでやっていますと。そこに保税とかいろんなスキームが出てくるというのが自然の流れです。それはある意味で一国の主権でやっていると。これが物があちらに行ったときに、向こうのセキュリティの部分で、いや困るからあなたのところでちゃんとやってくださいよと。出るときにやってくださいというのが米国の当初の発想。これをどうするかという議論で、そのレベルを上げるということは、そのセキュリティという議論であれば、逆に言えば、別に税関当局がやる必要はない� �けでありまして、航空保安の観点とか、そういう方々がやればいいというのもあるんですが、たまたまスタートしたのが米国の税関当局であるので、そういう形でこういう中に入ってくると。という議論であります。

そういう中で、ですから、この手続というのをどういうふうに考えるかというのは、日本の国内に基づく輸出入、通関手続の中でどうやってとらえるかというのを、たまたま税関が水際にあってそういう手続を所管していたものですから、それを借用してやっているというふうにお考えいただきたい。その借用が、ある意味で点から面といいますか、そこから国際物流の全体の流れに結びついてやっていこうと。したがって、ここでこういう物流、国際物流の中だから、こちらでこれは全体として安全だと見込むので� �れば、米国側において、それは結構でございますよというのが、いわば出るときのセキュリティの議論はもちろんあるんでしょうけども、これはまさに向こうで輸入されるときの簡素化につながるという、こういう整理に多分なるんじゃないかと思います。

じゃあ、そのセキュリティは何だという議論がありまして、これが要は薬物関係とテロって何だろうという議論だと思うんですが、要は貨物の中に爆発物なり、あるいはNBC兵器等々が入っているかどうかということが最後の突き詰めた議論でありますから、これはやはり物の検査という、そういう即物的な議論になるということなので、これはやっぱり税関当局でやるということで、累次にわたってチェックのポイントは輸入だけじゃなしに輸出についてもやらねばという� �そういう流れになっているわけです。ちょっとくどいようでありますけども、セキュリティのAEO、簡素化のAEOは分けて考えられない。したがって、セキュリティのAEOというと、まさにこういう者については、輸出もある意味でもっともっと手前でもオーケーですよという意味での簡素化になると。相手国が、それが将来的にはAEO業者としての相互認証の姿になるということであります。なかなかそこまで理想状態は難しいとは思いますけど、そんな整理だとは思いますけども。

○圓川座長 ありがとうございました。ほかによろしいでしょうか。

○赤尾委員 今、日本貿易会と経団連の説明を伺っていますと、簡素化で彼らの関心はほとんど輸出の手続の方ですね、輸入じゃなくて。だから、ある程度今局長が言われたようなセキュリティの面、あるいはそのものが米国に輸入される場合に関係してということかもしれませんけれども、米国ほど割り切って、出るものはもうほとんど自由だと。あなたの方の問題で、私のところじゃないというほど割り切るわけにはいかないかもわかりませんけれども、ある程度これはもう、あれだけ、経団連と貿易会の方が自由に自由にと言われるから、それじゃあ、できるだけ簡素化しますけれども、米国とかヨーロッパにうまく入らないときはあなたたちの責任ですよというような割り切り方というのもある程度あり得るんでし� �うか。

○青山関税局長 そこはなかなか難しい。やはり相互認証の議論に行き着くわけでありまして、先ほど林先生の方からのお話もありまして、じゃあ、100%今度全部スキャニングしましょうというような議論を言っているんですけれども、それに対して対抗措置として日本もやるのかと、こうなっちゃいますね。ECはどうも、何か大体けしからぬという議論を言っております。日本ももちろん言っておるんですけれども、そこまでの議論になる方がいいのかどうかという点を含めて、いわばAEOということで、ある程度優良な企業の方々が関与したような国際物流の流れについては、要はAEO事業者は100%スキャンの対象外とするとかというような議論にするとか、いろんなやり方があろうかと思いますが、ただ、やは� �米国は米国でありますので、なかなかそこら辺、今後どうするかということだと思います。

○石原総務課長 今のお話で私もちょっといろいろ考えたんですけども、麻薬とかピストルとか、要するに輸入されると、その国の国民が困る話を、もちろん輸入するときに、その国の当局が取り締まるでしょうし、米国みたいにあとは知らないといって垂れ流しちゃうというやり方もあるのかもしれないけど、普通の国であれば、人様に御迷惑をかけないということで出さないと、そういうことなんだと思うんですけど、輸出した相手の国に行ってしまって、その輸出した国が困るものもありますよね。例えば、要するに戦略的に大量破壊兵器に使われてしまうような物資とか、これは輸入する側の国は全くコントロールする気はないわけですよね。来たらもうウエルカムで入ってしまうと。こういうものまで含めて出て� �っちゃって、あとは輸入する国でやってもらえばいいんだと割り切れるかというと、そこはやっぱり危ないと思うんですよね。そこが1つあるのかなという気がするんです。

あともう一言申し上げると、簡素化するという話がずっと続いているんですけれども、結局だれがちゃんと責任を持って物を見るかということであって、櫻井先生がおっしゃったように、具体的な責任のとり方というのは彼らは全然提示しませんでしたけれども、1つの考え方として、当局でのコントロールを簡素化する限り、自分たちが責任を持って見ますと。何事かあったら自分たちが法的な責任をとりますという、そのやり方だって法律の制度上あるのかもしれないけれども、責任を全くとりようもないというか、とる気もない人たちもいるわけですね� �大企業であれば、それなりに社会的なそういうサンクションを受けてダメージを受けるんだと思うんですけども、最初から全くそんなものはお構いなしにやっている連中というのがいて、その人たちも含めて輸出入の当事者が責任をとればいいでしょうということになると、結局そこの部分がしり抜けになっちゃうと思うんですよね。やはりだから、そういう意味で、私はさっきから聞いていて、バランスがやや欠けているなという気は正直いたしました。

○赤尾委員 だから、セキュリティというと、大来先生のように、9.11以降の問題ということだけじゃなくて、もちろん今石原課長が言われたように、昔のCOCOM関係とか、最近のいろいろなミサイルとかにも関係してくると思いますけど、そちらの方のセキュリティというのがあるということは、ある程度認識しておいた方がいいかなという気がしますね。

○圓川座長 そのほかはいかがでしょうか。

それでは、予定の時間より若干オーバーしていますので、以上をもちまして本日の企画部会懇談会は終了いたしたいと存じます。

本日いただきました意見、あるいは議論、これを踏まえて引き続き日本版AEO制度の構築に向けた検討を進めていきたいと存じます。


今後の審議の具体的な日程につきましては、事務局において調整の上、別途御連絡させていただきたいと存じます。

本日は、御多用のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございました。

午前11時52分閉会



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